語りたがりのヲタクなので、消えちゃうSNSで実況して叫んで終わるよりは感想をこういう形で残しておきたいなあと思い、書いていくことにしました。

■室井慎次 敗れざる者(Amazon Primevideo)

■室井慎次 生き続ける者(Amazon Primevideo)

自分用というか後で読み返してニコニコする用の感想で、特に考察とかはないです。

※①映画はほとんどネトフリかアマプラで見ますので、絶対に劇場で見た奴しか認めない!!とか、音響などの設備面の感想が見たい方はニーズに合いません。

※②基本的には内容に触れるためネタバレします。

全体的な感想と評価

スピンオフとしては本当に面白く、出来が良かったというのが第一の感想です。

当時ドラマをリアルタイムで見ていて、絶大な人気があり特集やインタビューも多数あった作品だったこともあり予算があったのか、近年の映画やドラマとは比べ物にならないくらい「良い」作品でした。

レビュー等で酷評されている面もありますが、確かに内容としては踊るシリーズファンの期待に完璧に応えたとは言い難く、その点で賛否が強烈に出るとは思いました。

特に踊る大捜査線シリーズのエンタメ部分のファンであれば、作品の性質があまりにも違ったこともあり違和感を覚えたのではないか……というのが私の感想です。

ただ、主演の柳葉敏郎さんの「室井慎次」としての役や気持ちにはかなり沿った作品であったように感じましたし、これがあの室井さんのたどり着いた場所なんだなあ……ということに、私は納得出来る作品でした。

「室井慎次の人生を浴びる映画」という感じです。

ネタバレあり!やぎの個人的感想

「敗れざる者」の感想

冒頭、かつてのドラマやSPや映画の映像を分かりやすく流してくれるのですが、それでもこれは踊る大捜査線のドラマや劇場版を見て前知識を持っていないと全てを楽しめないかなあと思いました。

しかし俳優さんみんな、当時モブくらいの人たちももう大ベテランですねえ………

という感じで本編開始。

ちょっ、室井さん官僚の公務員年金と莫大退職金からの地元スローライフしとる!!!!!!!うらやまァ!!!

が最初の感想でした。

しかし華々しい花道も天下りでの連続退職金も拒否している………!!!

犯罪に遭った関係者の未成年を里親として預かる形で一緒に暮らしている様子?

ゆっ………雪乃さんの時のことそんなに気に病んでたの!?と驚くくらい室井さんの人生に影響を与えている………!!

しかし話が進んでいくごとに、青島くんとの約束を果たせなかったことや、すみれさんが撃たれた時の回想が挟まれるのを見ていると、責任感が強過ぎて、いずれこの子どもたちの人生も背負い込むのでは……という危うさも感じてしまいますよ室井さん……ッ!

そして事件発生。

やぎ
やぎ
穏やかに暮らしてた室井さんを巻き込むなァアアア!!

このシーンから本当にすごいなと思ったのが、人間関係のリアル感。

閉鎖的な地方特有のご近所付き合いや、「元警察官僚」という立場で既に自分は一般人の認識なのに事件発生で警察がやって来るとみんな室井さんを知っていて、挨拶もしに来る。

この挨拶のあたりはかつてのキャストの関係もあって、スピンオフとしてのサービスシーンとは理解しつつも、何かちょっと湿度の高い人間関係というか、かつての踊るにもあった「組織的なしがらみ」とも似た空気感を出していて、演出が上手いよお……になりました。

しかしまあ、「いやいやいやみんな室井さんのこと好き過ぎやろ!!!!」というツッコミが出るほどに慕われており、でもファンもみんな室井さんのこと好きだった~~!!!てなりました。

レインボーブリッジは封鎖出来なかったことを誰も覚えてないんかい!!!!は色んな広告の場面で使われていましたが、「封鎖出来なかったが」はコミカルな台詞ながら、あれから本当にすごい年月が経ったんだなあ……を感じられましたね。

あとこの静かで重めの雰囲気の映画の中で乃木くんの軽い感じのキャラがかなり救いになっているのめちゃくちゃ良い~~!!!

この辺までは踊るシリーズの感じだったのですが、これ以降は里親として預かっている子ども達とのやりとりや引き取った経緯などのシーンが非常に多くなっていき、踊るのスピンオフ作品ながら、「室井慎次という人間が人生でたどり着いたところ」という脚本が強く出ていました。

私はこの内容をとても丁寧に描いているのが「すごい内容良いなあ……」と思った理由なので、踊るシリーズを見たかった!!という方とは意見が分かれるとは思います。

作品というか、キャラ単体の人生を描いたスピンオフという感じで理解しました。

そしてラスト。

「えっ!!!本当に続きものだ!!!めちゃめちゃ途中で何も解決してない!!!」

という感じでした。

続編「生き続ける者」の感想

もう子ども達と交流しながら東北子連れ名探偵室井シリーズでいってくれませんか!?!?

そう願いたくなる続編冒頭。もうずっとこれですよ。

やぎ
やぎ
穏やかに暮らしてた室井さんを巻き込むなァアアア!!

この続編については、前作にあった踊るシリーズの事件の続きも様々差し挟まれますが、基本的には預かっている子ども達のことと、室井さんとのやりとりがほとんどとなるので、踊るシリーズファンの方には少し物足りなかったのではないかなと思います。

しかしこの続編で前作より強く押し出されている実際の東北と思わしき遠景の空撮と、室井さんが春先と思われる時期に海岸で祈るシーン(秋田設定ですし少し距離はあり明言はないですが、恐らく震災への祈りを思わせるシーン)が、この映画において本当に全体的に柳葉敏郎さん御本人の気持ちがすごく強かったのではないか……と考えてしまいますね。

上の2つの点においてエンタメを強く押し出していた踊るシリーズのスピンオフ作品でありながら、「犯罪においては被害者だけでははく、苦しんで、悲しんで、辛い思いをする人がたくさんいるのだ」というメッセージがかなり強く込められているように思うのです。

もう本当に心から言いたいよ。

何でこのまんま無事に事件も何もかんも終わって幸せにならんかったァアアアアア!!!!!

もういいじゃん!!!!東北子連れ名探偵室井慎次でいいじゃん!!!!!!

ここは納得はしたけど全然受け入れてないからな!!!!!ここは踊るシリーズのファンとしては絶対無理だよ!!!!!もうわかるもん、レビューで★1つけちゃう気持ちがさァアアアアア!!!!

「生き続ける」タイトルのとこからもう不穏しかねえのは分かってたんですけどね!!!!!

室井さんの”終わり方”に対する批判レビューも見ましたし、その悔しい★1の気持ちは本当に分かる!という部分と、激動の人生を象徴するように悲劇として犯罪に巻き込まれて劇的に終わるのではなく、ただ目の前の子たちを安心させたいという気持ちから行動した末の最期への納得感が同時にありました。

ここも「犯罪被害の関係者=ずっと苦しむ」というのを他でもない室井さん自身が子どもたちに遺してはいけない……という意図の脚本や演出があったように思います。

本当に「敗れざる」「生き続ける」ってメッセージがある終わり方で、一緒に暮らしてた子ども達がそれぞれに室井さんのことを絶対に忘れないで生きていく感じだけでなく、新城さんが最後にあそこに来たことがね、うん。

みんな室井さんのこと大好きだったよねえ……てなりました。

おわりに

過去映像の利用やシリーズものとして出したことに異議はあるのかもしれませんが、沈黙の間、語られないことで想像を促すなど、情緒を大事にした作品でした。

踊るシリーズのスピンオフ、屈指の人気キャラの室井慎次を扱ったからこそ映画として成立した作品かなあとは思いますし、そこにはやはり賛否があるようには思います。

すごく良い映画でした。

次の踊るシリーズの新作についても、また配信に来たら感想を書きたいです。