HELLO、はるかに(@sun-crab)です。
今回は、あまり皆様には馴染みがないお話なのですが、「決済代行業者」というものについて書いていきたいと思います。
目次
お店でカードを使うには、お店側の契約も必要
ご存知の方も多いと思いますが、クレジットカードをお店で使うには、お客様がカードを使えるようにお店側が「加盟店契約」というものをカード会社としておかないといけません。
しかしお店の事情、カード会社の事情もあるのです…
加盟店契約の費用は結構かかる
お店でカードを使うことが出来れば、お客様も商品を購入したり、サービスを受けやすいので、いいことばかりかというと、そうではありません。
契約を結ぶには最初に「機械(レジ)の導入費用」であったり、契約加盟料をカード会社に支払わないといけません。
更に、お客様がクレジットカードを使う度に手数料がかかります。
お店などで「クレジットカードは1万円以上の購入でないと使えません」というような注意書きがレジに貼ってあるのを見たことはないでしょうか?
利益の大きい高額な商品であれば、お店側も手数料を払ってでもクレジットカードを使って貰った方が良いと考えるかもしれません。
しかし小規模でお手頃な価格で商品を売っているようなお店では、高額な初期費用や手数料を支払ってまでカード会社との加盟店契約をするのは難しいのです。
お店は経営する上で、コストを商品・サービス代金に上乗せしなくてはいけません。
お客様がクレジットカードを使えるメリットと、提供する商品やサービスの料金が上がってしまうデメリットを天秤にかけて、カード会社との加盟店契約を選択しないお店もあるのです。
たまに「カードで買うと代金が+●円になります」と堂々とうたっているお店がありますが、あれは加盟店契約上、規約違反になります。
通常の加盟店契約では、現金利用のお客様とカード利用のお客様に料金差をつけるのは禁止しています。
実は、契約出来ない業態のお店がある
「カード会社と契約出来ないなんて、悪いお店なんでしょ?」と思われたかもしれません。
確かに人によっては悪いお店になるのかしれませんが…
まずカード会社は
「役務の提供がなされていない場合、お店の売上げを取り消して利用者にお金を請求しない」
ということが出来ます。
もう少し分かりやすく説明すると、「役務の提供がなされていない」というのは、代金と引き換えに商品を送るといったのに送って来ない、商品が見本と全く違うものだった、支払いをしたのに最初に提示されたサービスを受けられなかった、など、「お金を支払ったのにそれに見合うものが受け取れなかった!」ということです。
これは利用者からの申し出から確認を行います。
最近では「てるみくらぶ」騒動や「はれのひ」騒動が分かりやすい例ですが、実際、予約の段階でもお金の引き落としが既になされた場合、お金を返せるのかは五分五分の確率です。
引き落とし前ならば高確率で止めることが出来ます。
これを前置きとして考えた場合、エステなどはどうでしょうか。
「痩せるメニューだと言われて料金を払ってメニューも受けたけれど、ちっとも痩せてない。お店にお金を払わないで下さい」
こういう連絡をして来られると「ええ…?でもメニューは受けたんですよね…?」となりますが「役務の提供がなされていない」というお客様の申し出になってしまうわけです。
こういったトラブルの起こりやすいサービスについては、カード会社は加盟店契約をお断りする場合があります。
また、お店が移動式(お弁当の移動販売など)で住所がないという場合も、お客様とトラブルが起きる可能性が高いため、お断りする場合があります。
要は「支払いに関してトラブルの起きやすい業種」や「トラブルが起きた時に解決しにくい形態の業種」は、加盟店契約をしにくいのが現状ですね。
カード会社と契約を結べないお店の救世主?
ここで「決済代行業者」の登場です。
上記のような「カード会社と直接加盟店契約を結べないお店」が、他にお客様にカードを利用して貰える方法はないかな…と思って選択する手段なのです。
コストは低め、業態もほぼ関係なし!
小さなお店で、カードを差し込んで暗証番号を入力する機械を見たことはありませんか?
決済代行業者を通じてであれば、カード用のレジを導入しなくてもカードを読む機能だけの小さな機械でカード利用が可能です。
最近はスマホやiPadなどでも、USB式のカードリーダーを差し込めば代用出来るようになりつつあります。
契約料や手数料はかかりますが、カード会社と直接加盟店契約をするよりは低コストで済みますし、どんなお店でも契約可能です。
現在は個人でも契約出来る決済代行業者も増えて、フリーマーケットや個人販売が可能なイベントなどでカードで支払えるところも出て来ています。
決済代行業者のデメリットは?
ここまで読むと、「じゃあ直接加盟店契約をしなくても、皆が決済代行業者と契約した方がいいんじゃない?」と思うかもしれません。
しかし、やはりデメリットはいくつかあります。
基本的に決済代行業者を通じたカード利用は、「明細にお店の名前が出ない」のです。
最近は大手の会社も増えて、料金を少し上乗せすればお店の名前を出すことも出来る業者があるようですが、カード会社側からすると「何だか怪しい売上げだな…」と思われてしまいがちです。
更に決済代行業者の契約形態は、
1.まず自社でカード会社と加盟店契約をする(契約A)
2.契約Aに、複数のお店を割り振る(契約A-a、契約A-b、契約A-c…)
という感じです。
ここで、割り振られた契約内のお店の1つ(契約A-b)が、詐欺通販業者だったとします。
お客様からカード会社に「カードで払ったけど商品が届かない!」と苦情が入ります。
カード会社は「この契約からのカード利用は出来ないようにしよう」と売上げを遮断します。そう、ここでカード会社が遮断するのは、「契約A」の売上げです。
すると、詐欺通販業者とは全く関係なく、いわば偶然同じ「契約A」のグループに振り分けられただけの、契約A-aのお店や契約A-cのお店の売上げも遮断されてしまいます。
決済代行業者に連絡をすれば契約を変えて貰えるかもしれませんが、その使えない間にカードの売上げは逃してしまうことになるのです。
クレジットカードを使えない要因については、「クレジットカードが使えない?原因と対処法!」で詳しく説明していますので、よろしければどうぞ~

まとめ
いかがでしたでしょうか。
普段、カードを利用する側にとってはあまり関係のない話だと思います。
しかし、利用したお店が決済代行業者との契約だった場合、カード会社側では売上げ内容が不明であったり、最悪の場合、詐欺業者であっても補償が出来なくなってしまう場合もあるんです。
2020年の東京オリンピックまでに、クレジットカードを筆頭にアップルペイやQRコードでの支払いなど、現金を使わないキャッシュレス方式の支払いを導入するお店が増えていく予定です。
海外は日本で考えられている以上にキャッシュレス社会で、海外からの観光客は「何で現金?カードはダメなの??」と支払いに戸惑う人も多いのだとか。
最近は大手の決済代行業者も増えて来ましたが、カード会社としては「トラブルの起きやすい」契約として認識していますので、「こういった会社がある」という認識だけでもしておいて頂ければいいなと思います。
それでは、ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。
はるかに(@sun-crab)でした。
アイキャッチの写真素材はこちらのサイトからお借りしました。